2025 12月
長井です 「渋谷星の会ML」の皆さんこんばんは
落ち葉も舞い散るころとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
小春日ののどかな日差しにようやく色づいた
町の柿やイチョウの葉が舞い落ちてきます。
凛と気を引き締める様に、
もう白いサザンカが咲いています。
今日も快晴。
今夜は、色とりどりの冬の星の中を
駿と白流れ星が舞い落ちてきそうです。
それでは今月も行ってみましょう。
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2025年12月
【主な現象】
12月 4日 月が最近(20時07分)
12月 5日 満月( 8時14分)
12月 8日 水星が西方最大離角( 6時03分)
12月12日 下弦(半月)( 5時52分)
12月14日 ふたご座流星群が極大(17時)
12月17日 月が最遠(15時09分)
12月19日 土星が東矩( 3時17分)
12月20日 新月(10時43分)
12月21日 海王星が東矩(23時50分)
12月22日 冬至( 0時03分)
12月23日 こぐま座流星群が極大( 1時)
12月31日 プレヤデス星団の食(札幌:22時24分)
【解説】
★上旬は水星が明け方南東の低い空で見やすくなります。
金星が昇るまで近くに明るい星は無いので迷うことは無いでしょう。
★ふたご座流星群は、12月05日ごろから12月20日ごろまで活動
します。極大は12月14日17時で、極大時の出現は1時間あたり
60個程度です。明るくて火球になるものが多いのが特徴です。
極大時の月齢は 24.0で、月の条件は良く未明まで月はありません。
毎年安定して出現するのと、夜が長く、輻射点もほぼ一晩中空に昇って
いるので、一晩で最も多く計数できる流星群と言われています。
防寒対策をしっかりして長時間の観測や観望ができる様にしましょう。
★こぐま座流星群は、12月18日ごろから12月24日ごろまで活動
します。極大は12月23日01時で、極大時の出現は1時間あたり
7個程度です。速度が遅くゆっくりと流れ、時折突発することがあり、
火球が多い場合と、微光流星が多い場合があり、その時によって
性状が異なるのが特徴です。極大時の月齢は6.6で、夜半前に月は沈み
輻射点が高くなる未明には月の影響は無いので最良です。
★海王星は、土星の近くに見え、夕方の見やすい時間に南中します。
★12月31日のプレヤデス星団の食は、札幌で夜半前西の高い空で
起こります。東京では北の端のおうし座18番星(5.7等)がなんとか
隠れる程度です。
札幌では22時24分に4.3等のおうし座19番星が月齢11.5の月
に隠れます。
★12月22日は冬至で、太陽が最も南寄りになります。
★接近
○12月07日 ポルックスと木星と月(月齢17.3)が
夜半前に東の空(19時20分以降)で
接近して見えます。
見ごろは23時00分ごろでしょう。
○12月11日 レグルスと月(月齢20.4)が
夜半過ぎに東の空
(12月10日22時30分以降)で
接近して見えます。
見ごろは 1時00分ごろでしょう。
○12月15日 スピカと細い月(月齢24.5)が
未明に南東の空( 2時20分以降)で
かなり接近して見えます。
見ごろは 5時00分ごろでしょう。
△12月18日 水星と細い月(月齢27.6)が
明け方に南東の地平線近く( 5時20分以降)で
接近して見えます。
見ごろは 6時00分ごろでしょう。
△12月19日 アンタレスと水星が
明け方南東の地平線近く( 5時40分以降)で
接近して見えます。
見ごろは 6時15分ごろでしょう。
○12月27日 土星と月(月齢 7.3)が
夕方南の空(23時30分以前)で
接近して見えます。
見ごろは18時00分ごろでしょう。
※ ◎:非常に接近するか、見た目がとくにきれいと思います。
○:見ておもしろいと思います。
△:高度が低かったり、薄明の中であったりで見にくいと思います。
但し、朝焼けや夕焼けと山の稜線も入れて写真にする等
意外とおもしろい可能性はあります。
◇:双眼鏡や望遠鏡で見られます。
★日没
東京での日没は
12月 1日 16時28分
12月 8日 16時28分
12月15日 16時29分
12月22日 16時32分
12月上旬ごろが1年で最も早くなります。
★今宵の空
日が暮れると(18時~19時ごろ)
まだ、秋の星座が勢ぞろいしています。
天頂付近 秋の四辺形、ペガスス座、アンドロメダ座、さんかく座
南の空
高 うお座
中 土星、くじら座(尾の部分)、ちょうこくしつ座
低 ほうおう座
南西の空
中 みずがめ座、みなみのうお座
低 やぎ座、つる座の一部
西の空
高 とかげ座
中 はくちょう座、こぎつね座、いるか座、こうま座、や座
低 わし座
北西の空
中 りゅう座
低 ヘルクレス座の一部
北の空
高 カシオペヤ座、ケフェウス座
中 こぐま座、きりん座
低 北斗七星の一部
北東の空
高 ペルセウス座
中 ぎょしゃ座
低 ふたご座
東の空
高 おひつじ座
中 おうし座
低 オリオン座
南東の空
高 うお座
中 くじら座、エリダヌス座、ろ座
が出ています。
★星のお話
ちょくこくぐ座 [彫刻具] 設定者:ラカイユ
Caelum(Cae) 面積 :125平方度
《The Engraving Tool☆01)
(The Chisel)☆02)
ちょうこくぐ座を見てみましょう。
18世紀にフランスの天文学者ラカイユが設定した星座です。
ラカイユが南天の星を観測して、1763年に1万個の恒星を載せた
星表を発表しました。その中にある星座です。
ラカイユは、ぼうえんきょう、はちぶんぎ、レチクル、コンパス、
じょうぎ、など、当時の新発明の様なものや、器具を多く星座として
新設しました。☆03)
1756年にケープタウンで観測した星の星表を発表したときに新設した
星座で「彫刻用のノミ(Caelum Scalptrium)」という星座名でしたが、
1845年に短縮されてCaelumとなりました。意味は同様です。☆04)
南天の星座ではありますが、東京からでも星座全体が見えます。
*星の並び
オリオン座やおうし座が南の空に高々と見えるころ。オリオンの足元に、
うさぎ座が見えて、うさぎ座のさらに下(南)に、はと座が見えます。
その、はと座の右下(南西)辺りに4等星が横に並んで2つ見えますが、
左側(東側)の少し暗い4.5等星の方がちょうこくぐ座αです。
αの少し上(北)に5等星のβ、βからはと座に向かってα-βと同じ
くらいの長さのところに5等星のγがあります。高度が低く暗い星ばかり
なので星をつないで形を作るというより、星が見えるか見えないかの
世界です。
冬の澄んだ空で、はと座の三角形はっきり見えていたら、αは見えるかも
しれません。βとγは双眼鏡で位置が確認できたら肉眼で見てどうかと
いう程度です。当然、彫刻用のノミには見えません。
*星の名前
とくに、固有名の付いている星も無い様です。
*観望
観望に適する星雲、星団、銀河はありません。
*神話
18世紀に新設された星座なので神話もありません。
★夜更けの空
夜が更けると(22時~23時ごろ)
冬の星座が出ています。
天頂付近 ペルセウス座、ぎょしゃ座
南の空
高 おうし座、オリオン座
中 エリダヌス座、うさぎ座、はと座、ちょうこくぐ座、ろ座
低 がか座の一部、かじき座の一部、とけい座
南西の空
中 くじら座
低 ちょうこくしつ座の一部
西の空
高 さんかく座、おひつじ座、アンドロメダ座
中 うお座、ペガスス座
低 土星、みずがめ座の一部
北西の空
高 カシオペヤ座
中 とかげ座
低 はくちょう座の一部
北の空
高 きりん座
中 ケフェウス座、こぐま座、おおぐま座
低 りゅう座
北東の空
高 やまねこ座
中 こじし座
東の空
高 ふたご座
中 木星、こいぬ座、かに座
低 しし座の一部、ろくぶんぎ座の一部、うみへび座の頭
南東の空
中 いっかくじゅう座、おおいぬ座
低 とも座の一部、らしんばん座の一部
が出ています。
★惑星
水星は、12月上旬に明け方南東の低い空に見えます。
12月8日が西方最大離角で、以降高度が下がっていきます。
12月8日の日出30分前の高度は12.7°で
日出時の高度は17.7°と非常に見やすい条件です。
12月 1日は、 5時00分に昇ります。
12月 8日は、 4時55分に昇ります。
12月15日は、 5時09分に昇ります。
12月22日は、 5時31分に昇ります。
金星は、日出前南東の地平線近くに見えます。
12月 1日は、 5時49分に昇ります。
12月 8日は、 6時04分に昇ります。
12月15日は、 6時19分に昇ります。
12月22日は、 6時32分に昇ります。
火星は、いて座にいて、太陽の近くにいます。
12月 1日は、12時14分に南中し、17時03分に沈みます。
12月 8日は、12時09分に南中し、16時57分に沈みます。
12月15日は、12時04分に南中し、16時52分に沈みます。
12月22日は、 7時12分に昇り、12時00分に南中します。
木星は、ふたご座にいて、夜半前に南東の空に見えます。
12月 1日は、19時36分に昇り、 2時48分に南中します。
12月 8日は、19時06分に昇り、 2時18分に南中します。
12月15日は、18時35分に昇り、 1時48分に南中します。
12月22日は、18時04分に昇り、 1時17分に南中します。
土星は、みずがめ座にいて、夕方南の空に見えます。
12月 1日は、18時45分に南中し、 0時39分に沈みます。
12月 8日は、18時18分に南中し、 0時12分に沈みます。
12月15日は、17時51分に南中し、23時41分に沈みます。
12月22日は、17時24分に南中し、23時15分に沈みます。
天王星は、おうし座にいて、夜半前に南の空にいます。
12月 1日は、22時46分に南中し、 5時51分に沈みます。
12月 8日は、22時17分に南中し、 5時23分に沈みます。
12月15日は、21時48分に南中し、 4時54分に沈みます。
12月22日は、21時20分に南中し、 4時25分に沈みます。
海王星は、うお座にいて、夕方南の空にいます。
12月 1日は、18時59分に南中し、 1時00分に沈みます。
12月 8日は、18時31分に南中し、 0時33分に沈みます。
12月15日は、18時04分に南中し、 0時05分に沈みます。
12月22日は、17時36分に南中し、23時34分に沈みます。
(出没の時刻は東京での目安です)
【スター紹介】
★M76★NGC650、NGC651(小亜鈴状星雲)
ペルセウス座にある惑星状星雲です。
距離は8180光年で、大きさは6.23×3.45光年、見かけの大きさ
は157×87″☆05)、我々の銀河系内の星雲です。
こぎつね座の亜鈴状星雲(M27)と似た形なので小亜鈴状星雲と言われて
います。しかし、大きさは亜鈴状星雲の3分の1程度しか無く、明るさは
格段に暗く、メシエ天体の中でも最も暗い部類に入ります。
NGC番号が2つ付いているのは、ウィリアム・ハーシェルが分解しないが
2つの天体としたための様です。
ペルセウス座、アンドロメダ座、カシオペヤ座の境界近くにあって、
暗い上に、近くに分かりやすい目安の星も無いので、非常に見つけにくい
天体です。アンドロメダの北側の足先の星4等星の51から、北に2°
東(赤経が大きくなる方向)に1°程度のところに、4等星の
ペルセウス座φがあります。(どこまでがアンドロメダの足先かを
見極めるだけでも大変)ペルセウス座φから約1°北にM76があります。
口径5cmの望遠鏡ではまず分からず、口径10cm程度の望遠鏡で
長細い形が見えてきます。
【まめ知識】
★オルバースのパラドックス★
宇宙が無限に広く一様に星があるならば、夜でも無限に星が見えて昼間の
様に明るいはずだという疑問は古来よりいろいろな人が考えていた様で、
ケプラー、ハレー、ド・シェゾー、オルバースらが提示しましたが、定常
宇宙論を唱えたヘルマン・ボンディが著書『宇宙論』(1952年)で
オルバースの1823年の著作のみを引用してこれを「オルバースの
パラドックス」として紹介したためこの名前で広く呼ばれる様になった☆06)
そうです。
ドイツの医師兼天文学者のハインリッヒ・ヴィルヘルム・オルバース☆07の
問いかけは、距離rにある天体の数はrの2乗に比例して、天体の光は
rの2乗に反比例するのでrにはよらない。したがって、r=0からrまで
積分した光量はrに比例して、rが∞だと光量が∞となる。夜空が暗いのは
途中で光の吸収が無いとすれば宇宙が有限の証拠だと考えて良いか☆03と言う
ものです。
この設問に対していろいろな解決案が提案されていて、
①宇宙には星だけでなく塵やガスが存在して光を吸収するため遠方の光は
届かない。→ 光を吸収した物質はやがて暖められて光を出すので
この説は成り立たない。☆07)
②星は一様に分布しているわけでなく銀河、銀河団と階層構造をなしていて
無限にあるわけではない。☆07)
③宇宙は広がっていて遠方の星の光は波長が伸びてエネルギーが
小さくなる。☆07)
④宇宙の年齢は有限で遠方の星の光は宇宙が生まれたときからの時間では
まだ届いていない。☆07)
などというものがあります。
【付録】
★αCar(カノープス)南中時刻 2025年(東京)
12月01日 1時26分
12月02日 1時22分
12月03日 1時18分
12月04日 1時14分
12月05日 1時10分
12月06日 1時06分
12月07日 1時02分
12月08日 0時59分
12月09日 0時55分
12月10日 0時51分
12月11日 0時47分
12月12日 0時43分
12月13日 0時39分
12月14日 0時35分
12月15日 0時31分
12月16日 0時27分
12月17日 0時23分
12月18日 0時19分
12月19日 0時15分
12月20日 0時11分
12月21日 0時07分
12月22日 0時03分
12月22日 23時60分
12月23日 23時56分
12月24日 23時52分
12月25日 23時48分
12月26日 23時44分
12月27日 23時40分
12月28日 23時36分
12月29日 23時32分
12月30日 23時28分
12月31日 23時24分
★水星の日出30分前の高度 2025年(東京)
時刻 高度° 方位角° 離角°
12月 1日 6時02分 10.9 298.2 -18
12月 2日 6時03分 11.6 298.8 -19
12月 3日 6時04分 12.0 299.5 -20
12月 4日 6時04分 12.3 300.0 -20
12月 5日 6時05分 12.5 300.4 -21
12月 6日 6時05分 12.6 300.9 -21
12月 7日 6時07分 12.7 301.4 -21
12月 8日 6時08分 12.7 301.8 -21
12月 9日 6時09分 12.6 302.2 -21
12月10日 6時09分 12.3 302.4 -20
12月11日 6時10分 12.0 302.7 -20
12月12日 6時11分 11.8 302.9 -20
12月13日 6時12分 11.5 303.2 -20
12月14日 6時12分 11.2 303.4 -19
12月15日 6時13分 10.7 303.5 -19
12月16日 6時13分 10.3 303.5 -19
12月17日 6時14分 9.8 303.6 -19
12月18日 6時15分 9.5 303.8 -18
12月19日 6時16分 9.1 303.9 -18
12月20日 6時16分 8.6 303.9 -17
12月21日 6時17分 8.1 303.8 -17
12月22日 6時17分 7.6 303.8 -17
12月23日 6時18分 7.1 303.7 -16
12月24日 6時18分 6.5 303.6 -16
12月25日 6時18分 5.9 303.4 -15
12月26日 6時18分 5.4 303.3 -15
12月27日 6時19分 5.0 303.2 -14
12月28日 6時19分 4.5 303.0 -14
12月29日 6時20分 4.0 302.8 -13
12月30日 6時20分 3.4 302.6 -13
12月31日 6時20分 2.9 302.3 -12
それではまた。
【参考文献】
☆01)IAU https://www.iau.org/public/themes/constellations/
☆02)星座のはなし 野尻抱影 筑摩書房
☆03)天文の事典 小平桂一、日江井栄二郎、堀源一郎、監修 平凡社
☆04)星の文化史事典 出雲晶子 白水社
☆05)天文年鑑2025年版 天文年鑑編集委員会 編著 誠文堂新光社
☆06)天文学辞典 日本天文学会 https://astro-dic.jp/color-index/
☆03)天文の事典 小平桂一、日江井栄二郎、堀源一郎、監修 平凡社
☆07)最新天文小辞典 福江純 東京書籍